CT検査でわかることと費用の目安・服装や造影剤の注意点も解説

CT検査を受けることになり、何がわかるのか、費用や服装、造影剤の注意点が分からず不安な方もいるでしょう。

検査内容によって食事や服薬などの準備が異なるため、確認せずに受診すると予定どおり検査できない場合があります。

CT検査でわかることや費用、適した服装、検査前の注意点を整理します。必要な準備と医師へ伝える内容を把握し、当日の確認漏れを減らした状態で検査を受けられます。

CT検査はX線で体の断面を短時間に撮影する検査

CT検査はX線で体の断面を短時間に撮影する検査

CT(Computed Tomography、コンピューター断層撮影)検査はX線を多方向から当て、体内の断面画像を作る画像検査です。連続した画像を使うことで、臓器や骨、血管などの位置関係を立体的に把握できます。

単純CTと造影CTは造影剤を使うかどうかが異なる

CT検査には、造影剤を使わずに撮影する「単純CT」と、静脈から造影剤(血管や臓器などを画像で見分けやすくする薬)を注入して撮影する「造影CT」があります。造影剤は、病変の広がりや血流との関係などを詳しく評価する目的で使用されます。

どちらを受けるかは、調べたい病気や撮影部位によって決まります。単純CTだけで必要な情報を得られる場合もあれば、同じ部位でも造影CTを追加する場合があります。造影剤を使うかどうかを受診者が料金や手軽さだけで決めるものではありません。

造影CTでは、検査前の食事制限や腎機能の確認が必要になることがあります。過去に造影剤で吐き気や発疹などが出た方、ぜんそくやアレルギーがある方、糖尿病の薬を服用している方などは、検査前に医療機関へ伝える必要があります。

予約票に「造影」「造影CT」と書かれている場合は、単純CTとは準備が異なる可能性があります。検査前日の自己判断ではなく、予約した医療機関の指示を優先してください。

CTとレントゲンやMRIでは画像の作り方と得意な部位が異なる

CTと一般的なレントゲン検査は、どちらもX線を使います。レントゲンは主に一方向から撮影して平面的な画像を作るのに対し、CTは体の周囲からX線を当てて連続した断面画像を作るため、病変の位置や広がりを詳しく確認しやすい検査です。

MRI(磁気共鳴画像検査)は、強い磁場と電波を使って体内を画像化します。X線を使わないため放射線被ばくはありません。CTは肺や骨、出血などの評価に使われやすく、MRIは脳・脊髄や筋肉などの軟らかい組織を詳しく見る際に使われるなど、目的に応じて使い分けられます。

CTとMRIは優劣ではなく、確認したい部位や病変に合わせて選ぶ検査です。必要に応じて両方を組み合わせることもあります。PET検査は放射性薬剤の体内分布を見る検査で、CTとは得られる情報が異なります。

検査全体の時間は10〜15分程度が目安

国立がん研究センターの案内では、CT検査全体にかかる時間は10〜15分程度とされています。検査台に仰向けになり、寝台がトンネル状の装置の中を移動しながら撮影します。胸部や腹部では、画像のぶれを防ぐため数秒間の息止めを求められることがあります。

造影CTでは、点滴の準備や造影剤の注入が加わります。造影剤を注入すると、一時的に体が熱く感じることがあります。検査時間は撮影部位や検査内容、施設の運用によって変わるため、予定がある日は受付から終了までの所要時間も予約先へ確認すると安心です。

撮影中は体を動かさないことが重要です。検査中に息苦しさや気分不良を感じた場合は、我慢せず診療放射線技師へ伝えてください。検査室ではスタッフが状態を確認しながら撮影を進めます。

CT検査でわかることは撮影部位と造影剤の有無で変わる

CT検査でわかることは撮影部位と造影剤の有無で変わる

CT検査では、臓器や骨の形、病変の位置・大きさ・広がりなどを画像で評価できます。ただし、1回のCTで全身の病気がすべて分かるわけではなく、撮影した範囲と検査目的に応じて確認できる内容が変わります。

主な撮影部位 画像で確認する代表的な内容 CTが使われる例
頭部 脳内の出血、頭蓋骨、腫瘤(しこり状の病変)、脳室(脳内にある液体の空間)など 頭部外傷、脳出血などの評価
胸部 肺、縦隔(左右の肺の間にある領域)、胸膜、血管など 肺の結節・腫瘤、肺炎、肺気腫、胸部の異常などの評価
腹部 肝臓、胆道、膵臓、腎臓、消化管周囲、血管など 腫瘤、炎症、結石、出血などの評価
骨盤部 膀胱、生殖器、リンパ節、骨盤内の臓器など 骨盤内の腫瘤や炎症、病変の広がりなどの評価

表は代表例です。実際には症状や既往歴、ほかの検査結果を踏まえ、医師が必要な撮影範囲と方法を決めます。

頭部CTは出血や骨の異常を短時間で確認する場面で使われる

頭部CTは、脳内の出血や頭蓋骨の骨折などを短時間で確認する場面で使われます。頭を強く打った場合や、脳出血・くも膜下出血などが疑われる場合には、救急診療でも用いられる検査です。骨や出血はCT画像で確認しやすい特徴があります。

一方、脳の病気ならすべてCTだけで分かるわけではありません。発症直後の脳梗塞や、脳・神経の軟らかい組織を詳しく確認したい場合などは、MRIが追加または優先されることがあります。症状に応じてCTとMRIを使い分けることが重要です。

突然の激しい頭痛、意識障害、片側の手足が動かしにくい、言葉が出にくいなどの症状がある場合は、健診としてCTを予約して様子を見るのではなく、速やかな医療機関の受診が必要です。緊急性が疑われる症状では、検査の種類を自己判断せず診察を受けてください。

胸部CTは肺や縦隔の小さな変化を詳しく評価するために使われる

胸部CTでは、肺の内部を断面画像で確認でき、肺の結節(小さなしこり状の影)や腫瘤、炎症、肺気腫などの評価に使われます。胸部X線検査で異常な影が見つかった後に、病変の大きさや場所をより詳しく確認する目的でCTが行われることもあります。

がんが疑われる場合には、病変の位置や大きさ、周囲への広がり、リンパ節や他臓器への転移の有無を調べる目的でCTが使われます。必要に応じて造影剤を使用し、血管や病変の見え方を詳しく確認します。

ただし、CT画像だけでがんかどうかを確定できないことがあります。病変の性質を確認するため、経過観察の画像検査や内視鏡検査、細胞・組織を調べる検査などが追加される場合があります。CTで異常を指摘された場合は、結果票に記載された受診先や医師の指示に従ってください。

腹部や骨盤部では複数の臓器と病変の広がりをまとめて評価できる

腹部・骨盤部のCTでは、肝臓、胆道、膵臓、腎臓、膀胱など複数の臓器を一度に画像化できます。腫瘤、炎症、結石、出血などの有無や位置を調べるほか、病変が周囲の臓器やリンパ節へ広がっていないかを評価する目的でも使われます。

造影CTでは、造影前後の画像の変化から血流や病変の性質を詳しく評価できる場合があります。特に腹部では、同じ臓器でも病気の種類によって撮影するタイミングや必要な画像が変わるため、「腹部CTを受ければ同じ内容が分かる」とは限りません。

無症状で受ける人間ドックやがん検診と、症状や異常所見を詳しく調べる診療上のCTでは目的が異なります。がん検診の種類や受診年齢などを知りたい場合は、CT検査とは分けて確認してください。

CT検査の費用は保険診療と自費の健診で確認方法が異なる

CT検査の費用は保険診療と自費の健診で確認方法が異なる

CT検査の費用は一律ではありません。病気の診断や治療のために保険診療として行う場合と、人間ドック・健診のオプションとして自費で受ける場合で料金の決まり方が異なります。

保険診療ではCT撮影の点数に診断料や薬剤などが加わる

2026年度の医科診療報酬点数表では、通常のCT撮影は使用する機器や施設条件によって560〜1,120点と定められています。造影剤を使用した場合には、CT撮影の造影剤使用加算として500点が加算されます。

ただし、窓口で支払う金額をCT撮影の点数だけから計算することはできません。画像診断に関する費用、造影剤そのものの薬剤料、初診・再診料、ほかの検査などが加わる場合があり、年齢や所得などによる自己負担割合も人によって異なります。

「CTだけでいくら」と考えず、受診全体の自己負担額として確認してください。検査前に金額を知りたい場合は、予約先へ「単純CTか造影CTか」「保険診療か自費か」を伝えると確認しやすくなります。

自費のCT検査は施設と撮影範囲によって料金差がある

人間ドックや健診のオプションとして受けるCTは、自費で料金を設定している医療機関があります。2026年9月10日時点で確認できる公式料金の例では、東京都予防医学協会の胸部ヘリカルCTは5,500円、東京慈恵会医科大学附属病院新橋健診センターの胸部CT・腹部CTは各22,440円です。

医療機関 検査 掲載料金
東京都予防医学協会 胸部ヘリカルCT 5,500円
※所属先などにより料金が異なる場合あり
東京慈恵会医科大学附属病院 新橋健診センター 胸部CT検査 22,440円(税込)
東京慈恵会医科大学附属病院 新橋健診センター 腹部CT検査 22,440円(税込)

料金差があるため、上記の金額を全国共通の相場として扱うことはできません。撮影部位、撮影範囲、造影剤の有無、ほかの検査とのセット内容をそろえて比較してください。

予約前は表示料金に含まれる内容まで確認する

自費CTを予約するときは、表示されている金額だけでなく、何が含まれているかを確認します。同じ「胸部CT」でも、診察、読影(撮影画像を医師が確認して所見を付けること)、結果説明、結果票の郵送、画像データの受け取りなどが料金に含まれるかは施設によって異なります。

  • 単純CTか造影CTか
  • 撮影する部位と範囲
  • 診察料や結果説明料が含まれるか
  • 画像データや結果票の受け取りに追加料金があるか
  • 人間ドックの基本料金とは別に必要な金額か

「CT検査○円」という表示だけでは総額を比較できない場合があります。予約画面や医療機関の案内で含まれる項目を確認し、不明な費用があれば受診前に問い合わせてください。

全身を調べる目的でCTやMRIを組み合わせた人間ドックを検討している場合は、単独のCT料金とは分けて、コース全体の検査内容を確認する必要があります。

CT検査の服装は撮影部位に金属が重ならないものを選ぶ

CT検査の服装は撮影部位に金属が重ならないものを選ぶ

CT検査当日は、金属製のボタンやファスナーなどが撮影部位に重ならない服装がスムーズです。金属はCT画像に映り込み、確認したい部分が見えにくくなることがあります。

金属のないTシャツやゴムウエストの服は着替えを減らしやすい

検査時の服装は、無地のTシャツやスウェット、ゴムウエストのパンツなど、撮影する範囲に金属部品がないものが向いています。国立病院機構東京病院では、プラスチック製のボタンは検査に影響しない一方、金属製ボタンやファスナーのある衣服は脱ぐよう案内しています。

胸部CTでは、ブラジャーのワイヤーや金属製ホックが撮影範囲に重なるため、外すよう案内されることがあります。腹部・骨盤部では、ベルトやパンツのファスナー、金属ボタンなどが対象になります。撮影部位に合わせて金属を避けると考えると準備しやすくなります。

服装に迷う場合は、検査衣へ着替えられる医療機関もあります。自宅から完全に検査向けの服をそろえることより、予約先から指定された服装や更衣方法があるかを確認することを優先してください。

眼鏡やベルトなど撮影範囲に重なるものは外す場合がある

CT検査では、撮影範囲に眼鏡、ベルト、アクセサリーなどが重なる場合、必要に応じて外します。国立がん研究センターも、眼鏡やベルトなどが撮影範囲にあると画像へ映り込むため、外せるものは必要に応じて外すよう案内しています。

取り外せる物は、検査室へ入る前にまとめておくと準備が進みやすくなります。特に頭部や胸部を撮影する場合は、ネックレス、ヘアピンなどが撮影範囲に入らないかスタッフの案内を確認してください。

体内の金属や医療機器は自分で外せないため、事前申告が必要です。人工関節などの人工物、ペースメーカー、植込み型除細動器などがある場合は、予約時または検査前に医師や診療放射線技師へ伝えてください。機器名が分かる資料があれば持参すると確認が進みやすくなります。

指定と異なる服装でも自己判断せずスタッフの案内に従う

当日に金属付きの服を着てしまっても、検査が必ず中止になるわけではありません。撮影範囲に影響する場合は、検査衣への着替えや、該当する衣類・装飾品を外すよう案内されることがあります。

CTはMRIと異なり強い磁場を使いませんが、金属が画像へ映り込む問題や、体内機器ごとの注意点があります。「CTなら金属を気にしなくてよい」と自己判断しないことが大切です。

検査当日は着脱しやすい服を選び、貴重品やアクセサリーを必要以上に持ち込まないと準備が簡単です。施設から「検査着へ着替える」「特定の衣類を外す」などの案内が届いている場合は、その指示を優先してください。分からない場合は受付時に服装を確認すれば対応できます。

CT検査前は食事と薬と造影剤の条件を確認する

CT検査前は食事と薬と造影剤の条件を確認する

検査前の準備は、単純CTか造影CTか、撮影部位はどこかによって異なります。食事や薬を自己判断で変更せず、予約先の指示を確認することが重要です。

食事制限の有無は検査内容によって異なる

造影CTでは、検査前の一定時間を絶食とする医療機関があります。国立がん研究センターは、造影剤を使用する場合には検査の数時間前から食事ができないと案内しています。国立病院機構東京病院では、午前の造影CTは朝食、午後は昼食をとらない運用を示しています。

一方、すべてのCT検査で同じ絶食時間が設定されているわけではありません。撮影部位や造影剤の有無、医療機関の手順によって条件が変わります。予約票に書かれた「何時から食べないか」を確認してください。

水分についても施設の指示に従います。国立病院機構東京病院では、造影CTの前でも水またはお茶は飲めるとしていますが、ほかの検査を同日に受ける場合などは別の制限が設定されることがあります。複数検査を受ける日は、CTだけの条件で判断しないでください。

造影剤の副作用歴や腎機能と服用薬は検査前に伝える

造影CTで使用するヨード造影剤(ヨードを含むCT用の造影剤)では、体質や持病、薬によって事前確認が必要です。国立がん研究センターでは、吐き気やかゆみ、くしゃみ、発疹などが100人に数人程度、血圧低下や呼吸低下などのショック症状が1,000人に1人未満で起こることがあるとしています。

過去に造影剤で副作用が出た方、ぜんそくやアレルギーがある方、腎機能が悪い方、糖尿病の薬を服用している方などは、造影剤を使う前に必ず医師へ申告してください。お薬手帳を持参すると、服用薬を正確に伝えやすくなります。

特にビグアナイド系(糖尿病の治療に使われる薬の一種)の薬については、造影剤を使う検査で確認が必要になる場合があります。ただし、薬を飲まない方がよいと自己判断してはいけません。中止や再開の時期は、処方医や検査を行う医療機関の指示に従ってください。

造影後に発疹や吐き気などが出ることもあります。帰宅後に症状が出た場合の連絡先を検査施設で確認し、呼吸が苦しい、意識が遠のくなど強い症状がある場合は、速やかに医療機関へ連絡・受診してください。

妊娠の可能性や体内機器がある場合は撮影前に申告する

CTはX線を使うため放射線被ばくがあります。国立がん研究センターでは、1回のCT検査による被ばく量は撮影する臓器や範囲によっておおむね5〜30mSv(ミリシーベルト、放射線の人体への影響を評価する単位)とし、患者の年齢や体格などに合わせて線量を調整すると説明しています。

必要なCT検査を被ばくだけを理由に自己判断で中止するのではなく、検査の必要性と撮影範囲を医師と確認します。妊娠中または妊娠している可能性がある場合は、撮影前に必ず医師へ伝えてください。胎児は放射線の影響を受けやすいため、検査方法を個別に判断する必要があります。

ペースメーカーや植込み型除細動器、人工関節などの体内機器・人工物がある方も事前に申告します。CTはMRIのような強い磁場を使う検査ではありませんが、機器の種類や撮影条件によって事前確認が必要な場合があります。機器名が分かるカードや資料があれば持参してください。

CT検査は目的と準備を確認してから受ける

CT検査は、X線を使って体の断面を短時間で画像化し、病変の位置や大きさ、広がりなどを評価する検査です。何がわかるかは撮影部位と検査目的によって変わり、必要に応じて造影CTやMRIなど別の検査を組み合わせます。

  • 予約票で撮影部位と単純CT・造影CTの別を確認する
  • 費用は保険診療か自費かを分けて確認する
  • 撮影範囲に金属部品が重ならない服装を選ぶ
  • 食事制限と水分摂取の指示を確認する
  • 服用薬、造影剤の副作用歴、妊娠の可能性、体内機器を事前に伝える
CT検査を受ける前に確認すること

CT検査の費用や服装、食事制限は検査内容によって異なります。予約先の案内を確認し、造影剤の副作用歴や服用薬、妊娠の可能性などがある場合は事前に伝えましょう。検査目的が分からない場合は、何を確認するためのCTなのかを医師へ確認してから受けてください。