MCIスクリーニング検査とは?費用相場とわかること・認知症診断との違い

MCIスクリーニング検査とは何を調べる検査なのか、費用はいくらかかるのか分からず、受けるべきか迷う方もいるでしょう。採血で受けられる一方、結果だけでMCIや認知症の診断が確定する検査ではないため、役割を正しく知ることが大切です。

検査で分かることと分からないこと、費用の目安、受検の流れ、結果が高リスクだった場合の対応まで整理します。自分がスクリーニングを利用する段階なのか、医療機関で詳しい認知機能評価を受けるべきなのかを判断しやすくなります。

MCIスクリーニング検査とは血液から軽度認知障害のリスクを調べる検査

MCIスクリーニング検査は、血液中の特定のタンパク質を測定し、MCI(軽度認知障害)のリスクを統計学的に評価する検査です。現在は、従来の検査を発展させた「MCIスクリーニング検査プラス」が提供されています。

MCIは認知症ではないが認知機能の低下がみられる状態

MCIは「Mild Cognitive Impairment」の略で、日本語では軽度認知障害と呼ばれます。厚生労働省は、MCIについて認知症そのものではないものの、健常な状態ともいえない段階と説明しています。もの忘れなどの認知機能低下がみられても、日常生活はおおむね自立していることが特徴です。

「MCIと判定されたら必ず認知症になる」という意味でもありません。国立長寿医療研究センターでは、MCIの人のうち1年間で約5〜15%が認知症へ移行する一方、約16〜41%は認知機能が正常な状態へ戻るとしています。経過には個人差があり、早い段階から生活習慣の見直しや必要な医療につなげることが重要です。

そのため、MCIを知る目的は将来を決めつけることではなく、現在の認知機能や生活習慣を見直すきっかけを得ることにあります。もの忘れが増えた、仕事や家事で以前と違う変化を感じるといった場合は、スクリーニング結果だけで判断せず、医療機関での評価も視野に入れましょう。

現在はMCIスクリーニング検査プラスが提供されている

株式会社MCBIは、従来の「MCIスクリーニング検査」を発展させた「MCIスクリーニング検査プラス」を2022年4月から提供しています。そのため、医療機関の案内では「MCIスクリーニング検査」「MCIスクリーニング検査プラス」など、似た名称を見かけることがあります。

MCIスクリーニング検査プラスでは、アルツハイマー型認知症の病態進行に関わる栄養系・脂質代謝系・炎症免疫系・凝固線溶系のタンパク質群の血中量を測定します。これらはアミロイドβ(アルツハイマー病で脳内に蓄積するタンパク質)を排出する仕組みや、血管の損傷・炎症などと関係する指標です。

つまり、脳そのものをMRIで撮影したり、認知機能テストで記憶力を直接測ったりする検査ではありません。血液中のタンパク質の状態から、MCIになりやすい状態か、すでにMCIである可能性が高いか低いかを統計的に評価します。名称が似ていても、医療機関ごとに実施している検査内容を確認して申し込みましょう。

結果だけでMCIや認知症の診断が確定するわけではない

MCIスクリーニング検査で最も押さえておきたいのは、結果だけでMCIや認知症の診断が確定するわけではないことです。提供元も、この検査を「スクリーニング検査」と位置づけ、判定結果のみで診断を確定するものではないと明記しています。

スクリーニングは、詳しい検査が必要な可能性を早めに拾い上げるための検査です。実際のMCIや認知症の診断では、本人や家族からの聞き取り、認知機能検査、神経心理検査、必要に応じたMRIや脳血流検査などを組み合わせ、医師が総合的に判断します。

したがって、低リスクだったから「認知症ではない」と言い切ることも、高リスクだったから「MCIである」と決めつけることもできません。検査結果は現在のリスクを確認する情報として受け止め、症状の有無とあわせて次の行動を決めることが大切です。

検査結果ではMCIリスクをA〜Dの4段階で確認する

MCIスクリーニング検査プラスでは、MCIリスクをA〜Dの4段階で示し、さらに関連するタンパク質群の状態も確認できます。判定の意味を知り、結果を生活改善や必要な受診につなげましょう。

A〜Dの判定と4つのタンパク質群を確認する

提供元の医療従事者向け情報では、MCIリスクはA〜Dの4段階で評価されます。あわせて、アルツハイマー型認知症の病態進行に関わるタンパク質を4つのカテゴリーに分け、それぞれを「良好」「注意」「要注意」の3段階で評価する仕組みです。

確認する項目 内容
MCIリスク A〜Dの4段階で評価
栄養系 栄養状態に関係するタンパク質群
脂質代謝系 脂質代謝の状態に関係するタンパク質群
炎症・免疫系 炎症や免疫機能に関係するタンパク質群
凝固線溶系 血管損傷の修復や血液の凝固・線溶に関係するタンパク質群

4つのカテゴリーは、それぞれのタンパク質群の状態を整理して示すものです。例えば「栄養系が要注意」という結果だけで栄養障害など特定の病気が診断されるわけではありません。MCIリスクの判定と各カテゴリーの評価は、報告書の説明に沿って読み分ける必要があります。

結果を見るときは、A〜Dの文字だけで一喜一憂するのではなく、どのカテゴリーに注意が必要と示されているかも確認しましょう。報告書の説明を読み、医療機関で結果説明を受けられる場合は、自分の生活習慣や持病とどう関係するのかまで確認すると次の行動を決めやすくなります。

脳内のアミロイドβの量や将来の発症を直接示す検査ではない

MCIスクリーニング検査プラスは、血中の関連タンパク質を測定してリスクを評価する検査です。脳内にアミロイドβがどれだけ蓄積しているかを直接測定する検査ではありません。また、「何年後に認知症を発症する」といった将来の発症時期を予測するものでもありません。

この違いを理解しないと、低リスクの結果を「将来も認知症にならない保証」と受け取ったり、高リスクの結果を「すでに認知症になっている」と誤解したりする可能性があります。検査結果は、あくまで血液中の指標をもとにした統計的なリスク評価として受け止める必要があります。

特に、同じ話を繰り返す、薬の管理が難しくなった、時間や場所の感覚が不確かになったなど、日常生活で変化が出ている場合は注意が必要です。血液検査の結果よりも症状を優先して医療機関へ相談することで、必要な認知機能検査や画像検査につながります。

高リスクまたはもの忘れが気になる場合は専門的な評価につなげる

検査結果が高リスクだった場合は、生活習慣の見直しだけで終わらせず、年齢や症状に応じて医師へ相談しましょう。提供元も、高齢でもの忘れが気になる方については専門医による2次検査を推奨しています。高リスクという結果そのものが診断ではないからこそ、次の評価が重要です。

一方、A・Bなど比較的低いリスクだった場合でも、本人や家族が明らかな変化を感じているなら受診を先延ばしにしないことが大切です。国立長寿医療研究センターでは、もの忘れ外来で問診、認知機能検査、神経心理検査、MRIなどを必要に応じて組み合わせて診断しています。

結果のランクと日常の変化を別々に見るのではなく、両方を合わせて考えましょう。「結果は低リスクだが症状がある」「結果は高リスクだが自覚症状はない」といった場合も、医療機関で結果の意味を確認すれば、その後に必要な検査や経過観察を整理できます。

MCIスクリーニング検査の費用は2万〜2万5,000円程度が目安

MCIスクリーニング検査の費用は医療機関ごとに異なりますが、2万〜2万5,000円程度が一つの目安です。健康保険は適用されないため、予約前に料金と検査後の説明内容まで確認しましょう。

自由診療のため健康保険は適用されない

MCIスクリーニング検査プラスは健康保険が適用されない自由診療です。保険診療のように全国一律の自己負担額が決まっているわけではなく、医療機関が検査価格を設定します。そのため、同じ検査名でも施設によって料金に差があります。

提供元の関連サイトでは、2万〜2万5,000円程度で実施している医療機関が多いと案内されています。ただし、これは固定価格ではありません。人間ドックや健康診断のオプションとして追加する場合と、MCIスクリーニング検査だけを単独で受ける場合で料金が変わることもあります。

予約するときは、表示されている金額が検査単体の料金なのか、診察料や結果説明まで含んだ総額なのかを確認しましょう。自治体や勤務先によっては補助が設けられているケースもあるため、利用できる制度がないか確認すると自己負担を抑えられる場合があります。

医療機関の実例では1万9,800円〜2万4,200円程度

2026年9月1日時点で確認できる医療機関の料金例では、横浜市立みなと赤十字病院健診センターが24,200円、北村山公立病院が単独受検23,600円、健康診断のオプションでは19,800円と案内しています。同じ検査でも受け方によって数千円の差が出る場合があります。

医療機関 料金例(税込)
横浜市立みなと赤十字病院 健診センター 24,200円
北村山公立病院 単独受検 23,600円
北村山公立病院 健康診断オプション 19,800円

上記は2つの医療機関で確認した料金例であり、この2施設だけから全国平均を算出したものではありません。一方、提供元関連のQ&Aでも、2万〜2万5,000円程度で実施する医療機関が多いと案内されているため、予約前の予算感としてこの範囲を確認しておくとよいでしょう。

料金は改定されることがあり、キャンペーンやセット料金が設定される場合もあります。上の金額をそのまま受診先の価格だと考えず、希望する医療機関の最新料金を予約時に確認することが必要です。費用を比較するときは、税込表示かどうかもあわせて見ておきましょう。

料金だけでなく結果説明と受診方法まで比較する

費用を比べるときは、最も安い医療機関を探すだけでは十分ではありません。MCIスクリーニング検査は結果を受け取った後の対応が重要なので、医師から結果説明を受けられるか、必要時に専門外来へつないでもらえるかも確認しておきたい点です。

また、人間ドックと同日に受けたい方はオプション追加ができるか、MCIスクリーニング検査だけ受けたい方は単独受検に対応しているかを確認しましょう。医療機関によって、予約方法、受検できる曜日、結果の返却方法、結果説明の有無が異なります。

料金差が小さい場合は、通いやすさや結果説明の体制まで含めて比較すると自分に合う受診先を選びやすくなります。高リスクだったときに追加相談しやすい施設を希望するなら、もの忘れ外来や脳神経内科などとの連携について予約前に確認しておくとよいでしょう。

MCIスクリーニング検査を受ける人の目安

提供元は40代以降を受検の目安として案内しています。ただし、年齢だけで受ける必要性が決まるわけではなく、家族歴、生活習慣、もの忘れなどの症状を分けて考えることが大切です。

提供元は40代以降の受検を勧めている

MCIスクリーニング検査プラスには年齢制限が設けられていませんが、提供元は40代以降の方に受検を勧めています。アルツハイマー型認知症に関係する変化は症状が出る前から進むとされることから、提供元は中年期から状態を確認することを案内しています。

ただし、「40歳になったら全員が必ず受けるべき」という公的な健診制度ではありません。MCIスクリーニング検査は自由診療であり、受検年齢や受検頻度は提供元が示す目安です。自分の年齢だけでなく、費用をかけてリスクを知る目的があるかを考えて選びましょう。

例えば、まだ自覚症状はないものの認知症への不安が強く、生活習慣を見直すきっかけがほしい方には、血液検査で現在のリスクを確認する方法として利用できます。一方、すでに日常生活に影響する症状がある場合は、スクリーニングより医療機関への相談を優先します。

家族歴や生活習慣が気になる場合は受検目的を明確にする

家族に認知症の人がいる、血圧や血糖値が高め、運動不足や睡眠不足が続いているなどの理由で、将来の認知機能を心配する方もいます。こうした場合は、検査を受ける前に「結果を知った後に何を変えたいのか」まで考えておくと、受検の目的が明確になります。

MCIスクリーニング検査プラスでは、栄養、脂質代謝、炎症・免疫、凝固線溶に関連するタンパク質群を評価します。ただし、家族歴そのものを調べる遺伝子検査ではなく、生活習慣病を診断する検査でもありません。1回の結果だけで自分の将来を決めつけないことが必要です。

受検するなら、結果をきっかけに食事、運動、睡眠、禁煙など日常の習慣を見直し、持病がある場合はその治療を継続しましょう。不安を数値に置き換えるだけで終わらせず、結果を健康管理につなげることが検査を活用するうえで重要です。

自己免疫性疾患や急性炎症などは判定に影響する場合がある

MCIスクリーニング検査プラスは血液中のタンパク質を測定するため、持病や身体の状態によって判定へ影響する場合があります。提供元関連のQ&Aでは、自己免疫性疾患、急性炎症、肝硬変、先天的脂質異常がある方は、測定するタンパク質の値に影響する可能性があると案内しています。

これらに当てはまるからといって、自己判断で「必ず受けられない」と決める必要はありません。ただし、結果を本来の目的どおり評価できるかを確認する必要があるため、予約時に病名や現在の状態を医療機関へ伝えましょう。すでに認知症と診断されている方は、MCIのリスクを調べる検査の対象外とされています。

また、検査結果に影響し得る条件がある場合は、数値だけを見て生活習慣の良し悪しを決めつけないことが大切です。自分の病歴や受検目的を医療機関と共有し、検査を受ける意味があるか確認してから申し込むと、結果の解釈で迷いにくくなります。

もの忘れが生活に影響している場合はスクリーニングより受診を優先する

「最近もの忘れが増えた」という程度でも、同じことを何度も聞く、薬の管理ができない、慣れた場所で迷う、時間や場所が分からなくなるなどの変化がある場合は、MCIスクリーニング検査だけで様子を見ず、かかりつけ医やもの忘れ外来へ相談しましょう。

認知機能の低下には、認知症以外の病気や薬の影響などが関係することもあります。専門外来では、症状の経過や日常生活の状況を確認し、認知機能検査、神経心理検査、血液検査、MRIなどから原因を総合的に調べます。

特に、仕事や家事、金銭管理、服薬管理などに支障が出ている場合は、血液によるリスク評価よりも現在起きている認知機能の変化を評価することが優先されます。本人だけで状況を説明しにくい場合は、普段の様子を知る家族と一緒に受診すると診療に役立つことがあります。

MCIスクリーニング検査は少量の採血で受けられる

検査は医療機関で採血を受け、血液を解析して結果を受け取る流れです。検査自体の身体的な負担は比較的小さい一方、結果が届くまでには通常2〜3週間程度かかります。

採血量は2mLで検査自体には食事制限がない

MCIスクリーニング検査プラスは、医療機関で2mL程度の採血を行って受けます。提供元の案内では、検査自体は食事制限なしで受けられるとされています。MRIのように装置の中へ入ったり、認知機能テストの質問に答えたりする検査ではありません。

ただし、人間ドックや健康診断のオプションとして同日に受ける場合は、ほかの検査のために絶食などの指示が出ることがあります。MCIスクリーニング検査だけの条件と、同日に受ける検査全体の注意事項を混同しないようにしましょう。

実際の予約方法や採血時間は医療機関によって異なります。単独受検に対応しているか、健康診断と一緒に申し込む必要があるかも施設ごとに違うため、予約時に当日の食事、服薬、受付時間を確認するとスムーズです。

採血後は解析され結果が医療機関へ返却される

採取した血液は検査センターなどで処理され、血中タンパク質を測定・解析します。提供元の医療従事者向け情報では、採血から医療機関への結果返却まで約2〜3週間が目安です。受検者が結果を受け取る日程は、各医療機関の運用によって変わります。

結果の返却方法も、医師から対面で説明される場合、健診結果とあわせて郵送される場合などがあります。高リスクだった場合にどこへ相談すればよいか不安な方は、結果説明がある医療機関を選ぶと、その場で次の対応を確認できます。

受検前には、「結果はいつ、どの方法で返ってくるか」「結果説明は料金に含まれるか」を確認しましょう。検査を受けること自体より、結果を正しく理解して生活改善や専門的な検査につなげられるかが重要です。

定期受検は提供元の推奨を参考に目的を決める

提供元は、健康診断や人間ドックと同じように年1回程度の受検を案内しています。ただし、これは公的な健診として定められた受検頻度ではありません。すべての人が毎年受けなければならないという意味ではない点に注意してください。

定期的に受ける目的は、1回の数値だけを見るのではなく、自分の状態の変化を把握し、生活習慣を見直すきっかけにすることです。前回の結果を受けて運動や食事などを変えた場合、再受検を考える際は、同じ検査を受ける意味や費用を医療機関へ確認するとよいでしょう。

一方、もの忘れなどの症状が進んでいる場合は、次の年まで待って再検査するのではなく医師へ相談します。定期受検と医療機関での診断は目的が異なるため、症状があるときはスクリーニングの予定より早めの受診を優先しましょう。

MCIスクリーニング検査と認知症診断で行う検査は役割が異なる

MCIスクリーニング検査は血液からリスクを確認する検査で、認知機能検査やMRIなどとは調べる対象が異なります。それぞれの役割を知ると、自分が次に受けるべき検査を整理できます。

検査 主に確認すること 位置づけ
MCIスクリーニング検査プラス 血液中の特定タンパク質からMCIリスクを統計的に評価 リスクを確認するスクリーニング
認知機能・神経心理検査 記憶、判断、注意、言語などの認知機能 現在の認知機能を評価
MRI 脳の萎縮、脳梗塞など脳の形態 原因疾患の評価に使用
脳血流検査 脳の活動に関係する血流の状態 必要に応じて診断時に使用

認知機能検査は記憶や判断など現在の認知機能を評価する

MCIスクリーニング検査が血中タンパク質からリスクを評価するのに対し、認知機能検査は記憶、注意、判断、言語などの認知機能を実際の課題を通して評価します。もの忘れ外来などでは、簡易的な認知機能検査に加えて、必要に応じて詳しい神経心理検査が行われます。

つまり、「将来的なリスクが気になる」という段階と、「最近、記憶力や判断力が落ちた気がする」という段階では、必要な評価が同じとは限りません。自覚症状や家族から見た変化がある場合は、現在の認知機能を直接確認する検査が重要になります。

MCIスクリーニング検査の結果が高リスクでも、認知機能がどの程度低下しているかまでは分かりません。反対に、低リスクでも認知機能低下がないとは断定できません。血液によるリスク評価と認知機能そのものの評価は別の情報として考えましょう。

MRIや脳血流検査は脳の形や血流などを画像で確認する

MRIは脳の断面画像を撮影し、脳の萎縮や脳梗塞などがないかを確認する検査です。脳血流検査では、脳の活動に関係する血流の状態を画像で調べます。これらは血液中のタンパク質を調べるMCIスクリーニング検査とは確認しているものが異なります。

また、血管の状態を調べる検査にも種類があります。例えば頸動脈エコー検査は、首の動脈を超音波で観察し、血管壁の厚さやプラークなどを確認する検査です。MCIスクリーニング検査プラスで扱う血管損傷や炎症に関連するタンパク質とは、評価方法も目的も異なります。

どの検査が必要かは、年齢、症状、既往歴、診察結果によって変わります。複数の検査を同じ「認知症検査」とひとまとめにせず、何を確認するための検査かを見て選ぶことが大切です。

診断では問診や認知機能検査と画像検査などを組み合わせる

認知症やMCIの診断は、単独の検査結果だけで決めるものではありません。国立長寿医療研究センターのもの忘れセンター外来では、本人・家族への問診、認知機能検査、神経心理検査、必要に応じて血液検査、MRI、脳血流検査などを組み合わせています。

このため、MCIスクリーニング検査は「認知症かどうかを確定したい」という目的よりも、自覚症状が強くない段階でリスクを知り、健康管理を見直すきっかけとして捉えるほうが検査の役割に合っています。

一方で、本人や家族が認知機能の変化を感じている場合は、スクリーニング検査を経由しなくても医療機関へ相談できます。症状があるときは「まず血液検査を受けなければならない」と考えず、かかりつけ医、脳神経内科、精神科、もの忘れ外来などへ相談しましょう。

MCIスクリーニング検査はリスク確認に使い症状があれば専門医へ相談する

MCIスクリーニング検査は、血液中の特定のタンパク質からMCIのリスクを統計学的に評価する検査です。現在提供されているMCIスクリーニング検査プラスでは、A〜Dの4段階と4つのタンパク質群の状態を確認できます。

MCIスクリーニング検査で押さえておきたいポイント
  • MCIは認知症そのものではなく、認知機能の低下がみられるものの生活はおおむね自立している状態
  • MCIスクリーニング検査プラスは血中タンパク質からMCIリスクを評価する
  • 結果だけでMCIや認知症の診断は確定しない
  • 費用は2万〜2万5,000円程度が目安で、健康保険は適用されない
  • 採血量は2mL程度で、結果は医療機関へ約2〜3週間で返却される
  • もの忘れが生活に影響している場合は、結果のランクにかかわらず医療機関へ相談する

自覚症状がなく、将来の認知機能が気になる場合は、費用や結果説明の体制を確認したうえで受検を考えられます。すでにもの忘れや判断力の低下が日常生活に影響している場合は、スクリーニングだけで様子を見ず、医師による評価を受けることを優先しましょう。