健康診断の問診内容を解説!診察では何をするのかも紹介

健康診断の問診では何を聞かれるのか、診察では何をするのか分からず、病歴や生活習慣をどこまで伝えるべきか不安に感じる方もいるでしょう。

問診票をあいまいな記憶で埋めたり、気になる症状を伝えなかったりすると、医師が健康状態を確認するために必要な情報が不足することがあります。

この記事では、健康診断の問診内容と診察の流れを整理し、よく確認される病歴・症状・服薬状況のほか、視診・聴診・触診で何を見るのかを解説します。

事前に準備する情報や、不安な質問・診察への対応も分かるため、当日の流れをイメージしたうえで落ち着いて健康診断を受けやすくなります。

健康診断の問診と診察の違い
  • 問診:病歴、現在の症状、服薬状況、生活習慣などを質問で確認する
  • 診察:医師が視診・聴診・触診などを行い、体の状態を確認する
  • 検査:血圧測定、血液検査、尿検査、心電図などで数値や所見を確認する

健康診断の問診内容は病歴や症状など健康状態を確認するための情報

健康診断の問診では、これまでの病気や現在の症状、服薬状況などを確認します。会社の法定健康診断では、既往歴・業務歴の調査と自覚症状・他覚症状の有無の検査が定められています。

ただし、問診票の具体的な質問や追加項目は健診の種類や受診先によって異なります。まずは代表的な確認内容を押さえておくと、記入しやすくなります。

確認されやすい内容 質問の例 事前に整理するとよい情報
既往歴・治療歴 過去にかかった病気や手術、現在治療中の病気があるか 病名、手術名、治療を受けた時期
自覚症状 胸痛、息切れ、頭痛、腹痛、めまいなど気になる症状があるか 症状が始まった時期、頻度、程度
服薬状況 現在飲んでいる薬があるか 薬の名前、量、服用回数
生活習慣 喫煙、飲酒、運動、睡眠などの状況 おおよその頻度や量
業務歴 これまで・現在どのような仕事に従事しているか 仕事内容や作業環境
その他 家族歴、アレルギー、女性特有の健康課題など 受診先の問診票で求められた内容

既往歴と現在治療中の病気を確認する

既往歴とは、これまでにかかった病気や治療の履歴です。健康診断では、過去の病気や手術の有無、現在も通院している病気があるかなどを確認することがあります。

会社で行う一般健康診断では、既往歴と業務歴の調査が法定項目に含まれています。厚生労働省は、既往歴・業務歴について、原則として直近の健康診断以降の内容を中心に確認する考え方を示しています。

ただし、問診票では「これまでに大きな病気をしたことがありますか」など、より広い期間を尋ねる場合もあります。治療時期を正確に思い出せないときは、診察券や過去の結果票などで確認できる範囲を整理しておくとよいでしょう。

病名や時期が分からない場合は、推測して断定する必要はありません。分かる範囲で記入し、必要であれば当日にスタッフや医師へ補足すると、誤った情報を伝えるのを避けやすくなります。

自覚症状は小さな変化でも気になる内容を伝える

自覚症状とは、自分自身で感じている体調の変化です。頭痛、胸の痛み、動悸、息切れ、腹痛、めまい、むくみなど、問診票に選択肢が用意されている場合があります。

法定健康診断では、自覚症状と他覚症状の有無を確認します。他覚症状とは、本人の訴えだけでなく、医師が診察によって確認する所見のことです。

厚生労働省は、自覚症状について最近本人が自覚する事項や、就業に関連して本人が自覚する事項を中心に確認する考え方を示しています。「健康診断だから症状は書かなくてよい」と考えず、気になる変化があれば記入しておくことが大切です。

症状を伝えるときは、「いつから」「どのくらいの頻度で」「どのようなときに起こるか」を整理すると伝わりやすくなります。症状が強い、急に悪化したなどの場合は、健診日を待たず医療機関への相談も検討してください。

服薬状況や喫煙などの生活習慣を確認することがある

問診では、現在飲んでいる薬や喫煙・飲酒などについて尋ねられることがあります。とくに特定健康診査では、服薬状況や喫煙歴を含む標準的な質問項目が示されています。

薬は商品名だけでは判断しにくい場合があるため、お薬手帳や薬の一覧を持参すると確認がスムーズです。処方薬だけでなく、受診先から記載を求められたサプリメントや市販薬があれば、指示に沿って伝えましょう。

また、喫煙や飲酒の質問は「よい・悪い」を評価するためではなく、健康状態を把握するための情報として使われます。量や頻度を実際より少なく書くより、分かる範囲で事実に近い内容を記入する方が健康状態の確認に役立ちます。

健診前だからといって、処方薬を自己判断で中止するのは避けてください。当日の服薬方法は薬の種類や検査内容によって異なるため、受診先の案内や主治医の指示を確認しましょう。

業務歴や家族歴などは健診の種類によって確認範囲が異なる

会社の一般健康診断では業務歴の調査が定められており、現在や過去の仕事内容について確認されます。仕事の種類や作業環境が健康状態と関係する可能性があるためです。

一方、家族歴やアレルギー歴、生活リズムなどは、健診機関や受診コースによって質問の有無が異なります。すべての健康診断で同じ問診票を使うわけではありません。受診前にWeb問診や紙の問診票が届いた場合は、その内容に沿って準備しましょう。

2026年4月28日付けの通知改正で、一般健康診断問診票に女性特有の健康課題に関する質問が追加されました。月経困難症、月経前症候群、更年期障害などに関する内容が想定されていますが、実際の様式や運用は受診先によって異なります。

答えにくい内容がある場合は、何のために質問しているのか、回答がどのように扱われるのかを受診先へ確認できます。無理に推測せず、必要に応じてスタッフへ相談してください。

健康診断の診察では視診や聴診などで体の状態を確認する

「健康診断の診察では何をするのか」と不安な方もいるでしょう。診察内容は健診の種類や医師の判断で異なりますが、問診に加えて視診・聴診・触診などが行われます。

診察は採血や心電図とは別で、医師が本人の訴えや体の所見を確認する工程です。代表的な内容を順番に見ていきましょう。

視診では顔色や皮膚などを目で見て確認する

視診は、医師が体の状態を目で見て確認する診察です。問診で伝えた症状を踏まえ、顔色や皮膚の状態、むくみなど、必要な部分に変化がないかを確認します。

会社の一般健康診断では「自覚症状及び他覚症状の有無の検査」が定められていますが、具体的にどの診察を行うかは一律ではありません。厚生労働省は、本人の訴えや問診などをもとに医師が必要な診察を選ぶ考え方を示しています。

つまり、全員に同じ部位を同じ方法で細かく診察するとは限りません。問診票に気になる症状を書いている場合は、その症状に関連する部分を追加で確認されることもあります。

眼鏡やコンタクトレンズ、補聴器などを使用している場合は、視力・聴力検査との関係で着脱を求められる場合があります。健診機関から届く事前案内も確認しておきましょう。

聴診では心音や呼吸音を聴診器で確認する

聴診では、医師が聴診器を使って心臓の音や呼吸の音を確認します。健診機関の一般的な診察項目として、胸部の聴診を案内している施設があります。

聴診器は胸部などに当てるため、衣服の位置を少し調整するよう求められることがあります。どの程度衣服を動かすか、健診着の上から行うかなどの方法は施設によって異なります。

診察時に露出への抵抗がある場合や、過去の経験から不安がある場合は、受付や看護師へ事前に伝えて構いません。対応できる範囲は施設ごとに異なるため、予約時に相談しておくと当日の流れを確認できます。

聴診中は深く息を吸ったり吐いたりするよう指示される場合があります。医師の指示が聞き取りにくいときは、無理に合わせず確認してから行いましょう。

触診では腹部など必要な部位を手で確認することがある

触診は、医師が手で体に触れ、腫れや圧痛などがないかを確認する診察です。健診機関によっては、内科診察の一部として腹部の触診などを行うことがあります。

ただし、触診する部位や実施の有無は一律ではありません。問診内容、本人の訴え、健診コースなどに応じて医師が必要性を判断します。

触れられると痛む部位や、手術後などで触診に不安がある部分があれば、診察前に伝えてください。「ここは痛い」「この姿勢が難しい」と具体的に伝えることで、医師側も状況を把握しやすくなります。

診察の目的や方法が分からないまま進みそうな場合は、「何を確認する診察ですか」と尋ねても問題ありません。不安を我慢するより、確認したうえで受ける方が落ち着いて対応しやすくなります。

問診と診察を組み合わせて医師が所見を確認する

問診と診察は別々に完結するものではありません。医師は問診票に書かれた病歴や症状を確認し、その内容を踏まえて必要な診察を行います。

たとえば、息切れや動悸があると書かれていれば、症状がいつ起こるのかを追加で質問されることがあります。問診票は「提出して終わり」ではなく、診察で確認するための手がかりにもなります。

一方、血液検査などの結果は後日判明する項目もあるため、当日の診察だけで健康診断全体の結果が決まるわけではありません。最終的には結果票で各検査の判定や医師の所見を確認します。

再検査や精密検査などの案内が記載されている場合は、結果票の指示に沿って対応しましょう。診察時に症状を伝えていても、結果票を確認することが重要です。

問診と診察の前に3つの情報を準備すると回答しやすい

問診票は、その場で思い出そうとすると病名や薬の名前が分からなくなることがあります。病歴・服薬・症状の3点を事前に整理しておくと、回答しやすくなります。

病名や手術歴は治療を受けた時期と一緒に整理する

過去の病気や手術については、病名だけでなく「いつごろ治療したか」も確認しておきましょう。正確な年月が分からない場合は、分かる範囲で時期を整理します。

何年も前の治療歴は記憶があいまいになりやすいため、過去の健康診断結果や診察券、医療機関から受け取った書類があれば手がかりになります。無理に正確な日付を作るより、確認できる事実を伝えることが大切です。

現在も通院している場合は、病名だけでなく受診している診療科や治療内容を整理しておくと追加質問に答えやすくなります。病状について詳しく説明できない場合は、主治医から受けている説明の範囲で構いません。

問診票の記入欄が小さく書ききれない場合は、受診先の案内に従ってください。Web問診で入力できる場合や、当日に医師へ口頭で補足できる場合もあります。

薬の名前はお薬手帳や処方内容で確認する

高血圧や糖尿病などで治療中の場合、薬の種類は健診結果を確認するうえで重要な情報になります。薬の名前を覚えていない場合は、お薬手帳や薬局でもらった説明書で確認しましょう。

薬を飲んでいることだけでなく、いつ飲んでいるかも整理しておくと便利です。健診当日の朝に服用するかどうかは、検査内容や薬によって対応が異なります。

とくに食事制限を伴う健診では、薬だけ普段どおり飲んでよいのか迷うことがあります。自己判断で中止・変更せず、健診機関の事前案内を確認し、分からなければ受診先や主治医へ相談してください。

サプリメントや市販薬について記載欄がある場合も同様です。毎日使っているものがあれば、商品名や成分が分かる状態にしておくと記入しやすくなります。

気になる症状は開始時期と頻度を簡単にメモする

「最近なんとなく調子が悪い」と感じていても、診察室では具体的に説明できないことがあります。症状がある場合は、開始時期・頻度・強さを短くメモしておくと伝えやすくなります。

たとえば「2週間前から階段を上ると息切れする」「週に2回ほど朝に頭痛がある」のように整理します。症状の名前を自分で診断する必要はなく、実際に感じていることを具体的に伝えることがポイントです。

問診票に該当する選択肢がない場合は、自由記載欄があれば補足できます。自由記載欄がない場合でも、診察時に医師へ伝えたいこととして覚えておきましょう。

ただし、強い胸痛や呼吸困難など緊急性が疑われる症状がある場合は、通常の健康診断での確認を待つのではなく、適切な医療機関への相談が必要です。

答えづらい質問や診察への不安は受診先へ確認できる

病歴や生活習慣などはプライベートな情報を含みます。回答や診察に不安がある場合は、自己判断で空欄にする前に、質問の目的や情報の取扱いを確認しましょう。

分からない項目は推測せずスタッフへ確認する

問診票には「既往歴」「家族歴」など、普段使わない言葉が出てくることがあります。意味が分からないまま回答すると、本来とは違う内容を選んでしまう可能性があります。

分からない項目は、推測して埋めるより受診先へ確認する方が確実です。Web問診であれば問い合わせ窓口、当日記入する形式であれば受付やスタッフに尋ねましょう。

病名や治療時期が不明な場合も、「不明」と伝えたうえで分かる情報だけ補足できます。医師が必要と判断すれば、診察時に追加で確認されます。

問診はテストではありません。すべての項目を暗記した状態で答える必要はないため、確認できないことと確認できていることを分けて伝えることが大切です。

事前に問い合わせる場合は、手元に問診票を用意し、分からない設問を具体的に伝えると確認がスムーズです。

プライバシーが気になる場合は健康情報の取扱いを確認する

会社の健康診断では、事業者が法令に基づいて健康診断結果を取り扱う場面があります。一方で、健康情報は本人にとって機微性の高い情報であり、必要な範囲で適切に扱うことが求められています。

厚生労働省の指針では、事業者が健康情報の取扱規程を定め、利用目的や取扱者などを明確にする考え方が示されています。「誰がどの情報を見るのか」が気になる場合は、勤務先の取扱規程や健診機関の案内を確認しましょう。

問診票に法定項目以外の質問がある場合や、回答先が分かりにくい場合は、提出前に確認しても構いません。どこまで勤務先へ提供されるかは運用によって異なるため、受診先や勤務先で確認することが大切です。

不安から必要な健康情報まで意図的に隠すのではなく、情報の扱われ方を確認したうえで、健診に必要な内容を正確に伝えることが大切です。

露出や触診に不安がある場合は診察前に希望を伝える

聴診や触診では、体に触れたり衣服を調整したりする場合があります。診察方法に抵抗がある場合は、受付やスタッフ、医師へその旨を伝えてください。

たとえば「胸元を大きく開くことに抵抗がある」「手術した部位に触れられると痛い」など、不安の内容を具体的に伝えると受診先も対応方法を検討しやすくなります。

同性スタッフの同席や診察方法の変更などに対応できるかは施設によって異なります。希望がある場合は、当日になってからではなく予約時や受付時に相談しておくと確認しやすいでしょう。

健康診断は自分の健康状態を確認するための機会です。疑問を抱えたまま我慢して受けるのではなく、必要な説明や配慮を求めながら受診しましょう。

問診は正確に伝え診察で不安なことは事前に確認して受診する

健康診断の問診では、既往歴・自覚症状・服薬状況などを確認します。診察では、問診内容を踏まえて医師が視診・聴診・触診などを行い、必要な所見を確認します。

健康診断の問診・診察で押さえたいポイント
  • 過去の病気や手術、現在の治療状況を整理しておく
  • 服薬中ならお薬手帳や薬の一覧を用意する
  • 気になる症状は開始時期・頻度・程度をメモする
  • 分からない質問は推測せず受診先へ確認する
  • 診察方法やプライバシーに不安があれば事前に相談する

問診票はできる範囲で正確に記入し、分からないことや不安なことはそのままにしないことが大切です。事前準備をしておけば、当日の問診や診察にも落ち着いて対応しやすくなります。