雇い入れ時健康診断を受けるよう会社から案内されたものの、どこで受けるのか、検査項目や費用、当日の服装、診断書を即日発行できるのか分からず、予約を進められない方もいるでしょう。
必要な項目や診断書の発行日を確認せずに予約すると、検査項目の不足による再受診や、提出期限に間に合わないといったトラブルにつながります。
この記事では、雇入れ時健診の法定項目と費用負担、医療機関の選び方、服装・食事の注意点、即日受診から診断書提出までの流れを受診者向けに整理します。
自分が確認すべき条件と受診の手順が明確になり、必要な検査を受けられる医療機関を選び、会社の期限に合わせて診断書を提出できる状態になります。
雇い入れ時健康診断とは
雇い入れ時健康診断(雇入れ時健診)は、会社が新たに従業員を雇う際に行う健康診断です。企業は、労働安全衛生法に基づいて、新規入社者の入社時の健康状態を確認し、就業後の健康管理や仕事内容を調整する際の参考にします。
会社から受診を案内されたら、すぐに医療機関を探すのではなく、まず「受診する医療機関・受診期限・検査項目・指定の診断書・費用の支払い方法」を確認してください。会社指定の医療機関で受ける場合と、自分で対応する医療機関を探す場合があります。
- 会社指定の医療機関があるか
- いつまでに受診・提出すればよいか
- 会社指定の診断書や用紙があるか
- 法定項目以外に必要な検査があるか
- 費用は会社払いか、本人が立て替えて精算するか
- 領収書の宛名や提出方法に指定があるか
会社から詳しい案内がない場合は、「雇入れ時健康診断を自分で予約すればよいですか」「指定項目と診断書の様式はありますか」「費用は立替後に精算できますか」と人事・採用担当者へ確認しましょう。
雇入れ時健診を受ける対象者
雇入れ時健診の対象は、会社が「常時使用する労働者」として新たに雇い入れる人です。正社員だけでなく、1年以上の雇用が予定され、週の所定労働時間が同じ職場の通常の労働者の4分の3以上である契約社員、パート、アルバイトなども対象に含まれます。契約更新によって1年以上働く予定の場合も該当します。週の所定労働時間が2分の1以上4分の3未満の短時間労働者についても、厚生労働省は健康診断を実施することが望ましいとしています。
このため、雇用形態の名称だけでは受診の要否を判断できません。会社から受診を指示された人は、指定された期限と方法に従ってください。派遣労働者の一般健康診断は原則として派遣元が実施するため、派遣先ではなく派遣元から届く案内を基準に行動します。
入社前でなければ受けられない?受診時期と期限
労働安全衛生規則では、雇入れ時健診を「雇い入れるとき」に行うと定めていますが、入社日の何日前までという全国共通の期限は設けていません。会社は入社前に受診日を指定する場合もあれば、入社後の研修期間中に一斉健診を行う場合もあります。そのため、受診者は会社が示した受診期限と診断書の提出期限を基準にします。注意したいのは、受診日と診断書の発行日が同じとは限らないことです。検査自体は1日で終わっても、血液検査の分析や医師の判定により、結果の受け取りまで数日以上かかる場合があります。提出期限から結果発行日数と郵送日数を差し引き、間に合う日を受診日に設定してください。期限が記載されていない場合は、入社日までに必要か、入社後の提出でよいかを会社へ確認すると日程が決まります。
3か月以内に健康診断を受けている場合
雇い入れ前3か月以内に医師による健康診断を受け、その結果を証明する書面を会社へ提出した場合は、雇入れ時健診のうち同じ項目を省略できるケースがあります。対象になる可能性があるのは、前職の定期健康診断、人間ドック、別の勤務先へ提出するために受けた雇入れ時健診などです。ただし、受診日が3か月より前である場合や、胸部エックス線・貧血検査・心電図などの法定項目が結果票に含まれていない場合は、そのまま代用できません。不足項目だけを追加受診できるかどうかは、会社と医療機関の運用によって異なります。手元に結果票がある人は、検査名と受診日が読める状態で会社へ提出し、利用できる項目と追加受診が必要な項目を確定させてから予約してください。この順番なら、同じ検査を重複して受けることを防げます。
雇入れ時健診の検査項目は?法定項目を一覧で確認
雇入れ時健診で受ける検査は、法律で決められています。通常の定期健康診断では、年齢や健康状態によって一部の検査を省くことがありますが、雇入れ時健診では、決められた検査項目を原則すべて受ける必要があります。予約するときは、必要な検査が不足しないよう、「会社に提出する雇入れ時健康診断を受けたい」と伝えてください。
雇入れ時健診で受ける11の法定項目
雇入れ時健診では、法律で定められた11項目を確認します。「11項目」は検査の区分を示すもので、身体測定や血液検査には複数の検査内容が含まれます。所要時間は30分〜1時間程度ですが、混雑状況や追加検査によって異なります。予約時は必要項目の不足を防ぐため、「会社へ提出する雇入れ時健康診断を受けたい」と伝えてください。
| 検査項目 | 主に確認する内容 |
|---|---|
| 既往歴・業務歴の調査 | これまでにかかった病気や仕事の経歴 |
| 自覚症状・他覚症状の有無 | 本人が感じる症状と、診察で確認できる症状 |
| 身長・体重・腹囲・視力・聴力 | 体格、視覚・聴覚の状態 |
| 胸部エックス線検査 | 肺など胸部の状態 |
| 血圧測定 | 高血圧・低血圧の有無 |
| 貧血検査 | 血色素量、赤血球数 |
| 肝機能検査 | GOT(AST)、GPT(ALT)、γ-GTP |
| 血中脂質検査 | LDL・HDLコレステロール、中性脂肪 |
| 血糖検査 | 血糖値など |
| 尿検査 | 尿中の糖・蛋白 |
| 心電図検査 | 不整脈など心臓の電気的な状態 |
医療機関のコース名に「法定健診」と書かれていても、雇入れ時健診に必要な項目がすべて含まれるとは限りません。特に、胸部エックス線、貧血検査、心電図の有無を確認しましょう。会社指定の用紙がある場合は、予約時に医療機関へ伝え、当日忘れずに持参してください。
雇入れ時健診では原則として検査項目を省略できない
定期健康診断では、年齢や過去の結果などを踏まえ、医師が必要でないと認めた一部項目を省略できる場合があります。一方、雇入れ時健診は入社時点の健康状態を把握する目的があるため、年齢が若い、持病がない、本人が希望するといった理由だけで法定項目を省くことはできません。
「若いので血液検査や心電図は不要だろう」と考えて項目数の少ないコースを選ぶと、会社から不足項目の追加受診を求められる可能性があります。
ただし、雇い入れ前3か月以内に同等の健康診断を受け、結果を証明する書面を会社へ提出した場合は、重複する項目を省略できます。以前の健診結果を使いたい場合も自己判断せず、受診前に会社へ提出できるか、不足している検査項目がないかを確認してください。
職種によって追加検査が必要なこともある
雇入れ時健診の法定11項目とは別に、仕事内容や勤務先の感染対策によって追加検査が必要になる場合があります。主な業務と追加検査の例は以下のとおりです。
| 業務・職種 | 追加検査の例 |
|---|---|
| 有機溶剤や特定化学物質を扱う業務 | 取り扱う物質に応じた特殊健康診断 尿検査・血液検査・医師による診察など |
| 鉛を扱う業務 |
鉛健康診断 血液中・尿中の鉛に関係する検査など |
| 放射線を扱う業務 | 電離放射線健康診断 血液検査や皮膚・眼の検査など |
| 医療・介護・保育関係 | 勤務先の方針に応じた感染症・抗体検査 B型肝炎・結核・麻しん・風しん・水痘・おたふくかぜなど |
| 調理・食品関係 | 勤務先の衛生管理基準に応じた検便
腸管出血性大腸菌・サルモネラ菌など |
追加検査の内容は、同じ職種でも勤務先や担当業務によって異なります。一般の雇入れ時健診だけを先に予約すると、不足項目を別日に受けることになるため、会社から受け取った検査項目表を予約先へ提示し、同日に受けられるか、追加料金はいくらかを確認してください。
雇入れ時健診の費用はいくら?実際の料金データを調査
雇入れ時健診の費用は医療機関によって異なります。今回、雇入れ時健診・雇用時健診・入社健診として案内されているコースのうち、法定項目一式への対応を確認でき、税込料金を比較できる56件のコースデータを集計しました。
集計した料金の中央値は11,000円で、価格を安い順に並べたときの中央50%は9,900〜12,100円に収まりました。そのため、自分で受診先を探す場合は、法定項目を含む雇入れ時健診で1万円前後〜1万2,000円程度をひとつの比較基準にできます。
雇入れ時健診は1万円前後が中心だが、8,000円台〜15,000円台まで差がある
今回確認したデータでは、8,000円台で受けられるコースがある一方、13,000円以上のコースも複数あり、15,000円を超える例もありました。「雇入れ時健診」という名称が同じでも、料金は一律ではありません。
| 集計項目 | 結果 |
|---|---|
| 集計対象 | 法定項目への対応と税込料金を確認できた56件 |
| 中央値 | 11,000円 |
| 中央50%の価格帯 | 9,900〜12,100円 |
| 8,999円以下 | 5件 |
| 9,000〜9,999円 | 11件 |
| 10,000〜10,999円 | 5件 |
| 11,000〜11,999円 | 15件 |
| 12,000〜12,999円 | 9件 |
| 13,000円以上 | 11件 |
※雇入れ時・雇用時・入社時の健康診断として案内され、法定項目一式への対応と税込料金を確認できるコースを集計しています。料金は医療機関や受診条件によって異なります。
料金差を見るときは、検査料金だけでなく診断書や結果票の発行方法・受取日まで含めて比較することが重要です。実際の料金データには、通常の結果受け取りなら8,800円、当日受け取りなら11,000円となるコースや、結果票の早期返却に3,300円、即日発行に4,400円の追加料金がかかる例もありました。
そのため、「最も安い雇入れ時健診」を探すだけでは、会社への提出期限に合わなかったり、診断書の発行費用を含めると支払総額が高くなったりすることがあります。予約時は、「雇入れ時健診の法定項目をすべて含むか」「会社提出用の結果票・診断書を含めた総額はいくらか」「いつ結果を受け取れるか」の3点を確認すると、料金を比較しやすくなります。
法定の雇入れ時健診は会社が費用を負担する
厚生労働省は、法律によって会社に実施が義務付けられている健康診断の費用は、会社が負担すべきものと示しています。そのため、会社から指示された法定の雇入れ時健診について、受診者が最終的に検査費用を負担するのが原則ではありません。
ただし、支払い方法は会社によって異なります。会社が医療機関へ直接支払う場合は、受診者の窓口負担はありません。一方、自分で医療機関を予約する場合は、受診者が8,000〜12,000円程度を一度立て替え、領収書を提出して後日精算することがあります。自分で予約するよう指示されても、そのまま自己負担になるとは限りません。
| 支払い方法 | 受診者の対応 |
|---|---|
| 会社が医療機関へ直接支払う | 窓口負担なし。会社から渡された受診券や案内を持参する |
| 受診者が立て替える | 窓口で支払い、領収書を会社へ提出して精算する |
| 会社が費用の上限を設定している | 上限額以内の医療機関を選び、超過分の扱いを予約前に確認する |
立替払いでは、領収書の宛名、原本提出の要否、精算できる金額の上限を予約前に確認してください。本人の希望で追加した任意検査、会社指定外の診断書、交通費、即日発行料などは、会社の規定によって精算対象外になる場合があります。
健康診断の料金以外に発生する費用も確認する
雇入れ時健診で必要になる可能性があるのは、基本の検査料金だけではありません。診断書発行料、会社指定用紙への記入料、郵送料、結果の早期発行料、追加検査料、交通費などが加わる場合があります。たとえば、基本料金が8,300円でも、診断書や即日発行が別料金であれば、支払総額は1万円を超える可能性があります。
- 法定11項目と診察を含む税込料金
- 診断書1通の発行料金
- 会社指定用紙への記入料金
- 即日・翌日発行の追加料金
- 結果を郵送する場合の送料
- 会社指定の追加検査にかかる料金
- 診断書を再発行する場合の料金
「法定11項目と会社提出用の診断書を含め、当日に支払う税込総額はいくらですか」と予約先へ伝えると、必要な金額を確認できます。立替精算を利用する場合は、その総額が会社の精算対象になるかも事前に確定させてください。
雇入れ時健診を含む一般健康診断の受診時間を、必ず有給の労働時間として扱う決まりはありません。厚生労働省は、賃金を支払うかどうかは労使間の協議によって定めるものとしたうえで、健康診断を受けやすくするため、会社が賃金を支払うことが望ましいとしています。
そのため、勤務時間中に受診する場合や、入社前・休日に受診する場合など、実施方法によって会社の扱いが異なります。予約前に、受診時間が勤務扱いになるか、遅刻・早退や休暇の申請が必要か、移動時間や交通費も対象になるかを人事担当者へ確認しましょう。なお、有害な業務に従事する人が受ける特殊健康診断は、厚生労働省の通達により、受診時間を労働時間として扱います。時間外に実施した場合は割増賃金の支払いが適用されます。
雇入れ時健診は即日で受けられる?診断書の当日発行
医療機関によっては当日予約や即日受診に対応しています。ただし、「即日受診できること」と「診断書を即日受け取れること」は別です。血液検査や画像の確認を外部機関へ委託している場合は、結果が出るまで数日以上かかります。
即日受診と診断書の即日発行は異なる
| 「即日対応」の内容 | 確認するポイント |
|---|---|
| 当日に受診できる | 当日の予約枠があり、検査を受けられる |
| 当日に診断書を受け取れる | 法定項目の検査結果がそろい、受診当日に診断書が発行される |
| 診断書は後日発行 | 検査は当日でも、血液分析や画像確認の都合で数日~1・2週間かかる場合がある |
| 即日発行の条件 | 午前中や平日の指定時間までの受診、事前予約、追加料金などが必要な場合がある |
「雇入れ時健診に即日対応」と案内されていても、その意味は医療機関によって異なります。当日に予約枠があり検査を受けられるという意味もあれば、検査後に診断書まで受け取れるという意味もあります。
雇入れ時健診には血液検査、胸部エックス線、心電図などが含まれ、血液の分析や画像の確認を外部へ委託している医療機関では、すべての結果がそろうまで診断書を作成できません。
この場合、受診は当日でも診断書は数日から1〜2週間後になります。また、即日発行に対応していても、午前中の受診のみ、平日の特定時間のみ、追加料金が必要などの条件が設けられていることがあります。提出期限が迫っているときは、「今日受診できますか」だけでなく「法定項目を含む診断書を今日中に受け取れますか」と分けて確認しましょう。
急ぎで診断書が必要なときの探し方
「雇入れ時健診 即日」などで医療機関を探すときは、公式サイトの記載だけで判断せず、電話や予約フォームで次の点を確認してください。
- 雇入れ時健診の法定項目をすべて受けられるか
- 希望日に予約・受診できるか
- 診断書を受診当日に受け取れるか
- 当日発行が難しい場合、最短でいつ受け取れるか
- 即日発行の追加料金はいくらか
- 会社指定用紙にも当日記入してもらえるか
候補を探す際は、現在地からの近さだけでなく、法定11項目への対応、予約可能な時間、結果発行までの日数、診断書を受け取る方法を比較します。会社指定の用紙がある場合、市販の診断書は即日発行できても、指定用紙への記入は後日になる医療機関もあるため注意が必要です。問い合わせる際は、「入社先へ○月○日までに提出します。労働安全衛生規則第43条の項目をすべて受け、会社指定用紙の診断書を当日受け取れますか」と伝えましょう。予約なしの来院では受付できない場合があるため、必ず受診前に連絡します。診断書の窓口受取、郵送、PDFなどの発行形式が会社の提出方法に合うかも確認しておくと、受診後の行き違いを防げます。
即日対応でも食事制限を確認する
当日予約が取れても、すでに食事をしていると血糖や中性脂肪などの結果に影響し、医療機関によっては当日の検査ができない、または後日受け直しになる場合があります。午前の受診では前日夜から、午後の受診では当日の一定時間前から絶食を求められることがありますが、必要な時間や水・お茶の可否は医療機関ごとに異なります。急いでいる場合ほど、予約時に最後に食事をした時刻を伝え、受診可能か確認してください。常用薬は自己判断で中止せず、主治医または受診先へ相談します。また、会社指定用紙、本人確認書類、メガネやコンタクトレンズ、支払い手段を忘れると即日発行が難しくなることがあります。提出期限に間に合わない可能性が判明した時点で会社へ連絡し、後日提出や受診証明書での一時対応が可能か相談しましょう。
雇入れ時健診の服装は?当日の持ち物と準備
雇入れ時健診では、身体測定、採血、胸部エックス線、心電図などを行います。当日は、脱ぎ着しやすく、袖を肘より上までまくりやすい服装が適しています。ワンピースやつなぎ、補正下着など、上下が分かれていない服や着脱しにくい服は避けるとスムーズです。
検査を受けやすい服装
雇入れ時健診には、上下が分かれ、袖を肘より上までまくれる無地の服が適しています。採血と血圧測定では上腕を出す必要があり、胸部エックス線と心電図では胸元の金属や厚い装飾が検査の妨げになるためです。ワンピース、オールインワン、補正下着、カップ付きインナー、金属やラメを含むプリントTシャツは着替えに時間がかかるため避けます。薄手の無地Tシャツと脱ぎ着しやすいパンツを選べば、検査着がない施設でも各検査へ移りやすくなります。寒い時期は、前開きの上着など簡単に脱げるものを重ねてください。スーツで来院する必要はありません。勤務先から服装指定がある場合を除き、見た目のフォーマルさよりも、上腕と胸部を速やかに検査できることを優先します。
- 上下が分かれた服を選ぶ
- 採血・血圧測定のため、袖をまくりやすいトップスにする
- 胸部エックス線や心電図のため、着脱しやすい服にする
- ネックレスなどのアクセサリーは外しておく
- 身長・体重測定のため、脱ぎ履きしやすい靴にする
ネックレス、腕時計、磁気製品などは検査前に外します。紛失を防ぐため、必要のないアクセサリーは自宅に置いて受診してください。
当日の持ち物
当日の持ち物で優先度が高いのは、本人確認書類、予約票、会社指定の診断書用紙、視力検査に使うメガネやコンタクトレンズ、服用中の薬が分かるお薬手帳、支払い手段です。会社指定用紙を忘れると、医療機関独自の様式で発行された後に転記を依頼することになり、再発行料や追加の日数が発生する場合があります。立替精算をする人は、領収書の宛名を会社名と本人名のどちらにするか、原本が必要かをメモして持参してください。公的医療保険は原則として適用されませんが、本人確認のためにマイナ保険証などの持参を求める施設もあります。予約完了メールや案内画面に書かれた持ち物と照合し、受診前日に一式をまとめておくと忘れ物を防げます。
- 本人確認書類
- 予約票・問診票
- 会社指定の診断書用紙
- メガネ・コンタクトレンズとケース
- 服用中の薬がわかるお薬手帳など
- 費用の支払い手段
- 立替精算に必要な領収書の宛名に関するメモ
検査結果の郵送を希望する場合は、住所を確認できるものや返信用封筒が必要になることもあります。以下のチェックリストに加えて、予約先から個別に指定された物を持参してください。
食事・飲酒・服薬の注意点
雇入れ時健診では血糖や中性脂肪を測るため、指定された時間から食事を控えます。食後は血糖値と中性脂肪が上昇し、普段の状態を評価しにくくなるためです。絶食時間は受診時刻や医療機関によって異なり、午前受診では前日夜以降、午後受診では当日の朝食後から食べないよう指示されることがあります。水分は水のみ可とする施設もあれば、無糖のお茶を認める施設もあるため、予約案内に記載された条件を基準にしてください。コーヒー、ジュース、スポーツドリンク、飴、ガム、喫煙は検査値へ影響する可能性があります。前日の飲酒と激しい運動も避け、睡眠を確保します。常用薬は自己判断で中止せず、糖尿病薬など食事と関係する薬を含め、主治医または受診先から指示された方法で服用してください。
生理中や妊娠の可能性がある場合
生理中は尿へ経血が混ざり、尿潜血や尿蛋白の結果に影響する場合があります。受診日の変更が間に合わない場合は、採尿前に受付へ申し出てください。医療機関は、生理中であることを考慮して結果を判定する、尿検査だけ後日に行うなどの対応を決めます。妊娠中または妊娠の可能性がある人は、胸部エックス線検査を受ける前に必ず申告します。胸部エックス線を実施するか延期するかは、医師が検査の必要性や撮影条件を踏まえて判断します。受診者が自己判断で法定項目を省くと診断書が完成しないため、妊娠の可能性を受診先へ伝えたうえで、診断書の提出方法を会社にも共有してください。授乳中の場合も、服薬や追加検査が予定されているときは受付で伝えます。
予約から診断書提出までの流れ
予約前に会社の指定条件と医療機関を確認する
最初に、会社から届いた案内で受診期限、提出期限、指定医療機関、検査項目、診断書の様式、費用の支払方法を確認します。指定医療機関がない場合は、労働安全衛生規則第43条に基づく雇入れ時健康診断に対応する施設を探しましょう。予約の際は「雇入れ時健診を受けたい」と伝え、法定11項目がすべて含まれるか、会社独自の追加検査を受けられるか、診断書の発行まで何日かかるかを確認します。会社指定用紙がある場合は、その用紙への記入可否と追加料金も確認が必要です。費用を立て替える場合は、精算上限や領収書の宛名も会社へ尋ねておきます。提出日から逆算し、結果発行の遅れも考慮して余裕のある日程を選ぶと、入社直前の再受診や書類不足を避けやすくなります。
会社の案内を確認する
受診先、期限、検査項目、指定用紙、費用の支払方法を確認します。
対応する医療機関を探す
会社指定がなければ、雇入れ時健診の法定項目に対応する医療機関を探します。料金だけでなく、予約可能日と結果発行日も比較します。
「雇入れ時健診」と伝えて予約する
提出期限、会社指定用紙の有無、必要項目を伝え、食事制限と持ち物を確認します。
受診当日は指定用紙を提出し検査を受ける
受診当日は予約時間の10〜15分前を目安に到着し、受付で雇入れ時健診の予約であることを伝えます。会社指定の診断書用紙がある場合は、検査が終わってからではなく受付時に提出してください。問診票には、既往歴、自覚症状、服用中の薬、アレルギーなどを正確に記入します。検査は身体測定、視力・聴力、血圧、採血、採尿、胸部エックス線、心電図、医師の診察などの順で進みますが、施設により順番は異なります。食事制限や服薬については予約先の指示を守り、妊娠の可能性、生理中であること、検査に不安があることは事前にスタッフへ伝えましょう。立替払いをする場合は、会計時に会社指定の宛名で領収書を発行してもらい、明細書とともに紛失しないよう保管します。
受診して費用を支払う
受付で会社指定用紙を提出します。立替払いの場合は、会社指定の宛名で領収書を受け取ります。
診断書の内容を確認して期限までに会社へ提出する
診断書を受け取ったら、封をしたまま提出するよう指定されている場合を除き、氏名、生年月日、受診日、検査項目、医師名、医療機関名に誤りや空欄がないか確認します。会社指定の用紙を渡したのに医療機関独自の様式で発行されていた、心電図など一部項目が記載されていないといった場合は、提出前に受診先へ問い合わせましょう。会社への提出方法は、原本の手渡し・郵送、データのアップロードなどさまざまです。締切日が「発送日」ではなく「必着日」の場合もあるため、期限の定義を確認してください。立替精算がある人は、診断書とは別に領収書や申請書を提出します。診断書を提出する前にコピーやデータを手元に残しておくと、再確認や再発行が必要になったときに役立ちます。
診断書を受け取り会社へ提出する
氏名、受診日、検査項目、医師の判定などを確認し、会社指定の方法で期限までに提出します。自分用の控えも保管しましょう。
基本的な検査の所要時間は30分〜1時間程度が目安ですが、混雑状況や追加検査によって変わります。予約時間の10〜15分前を目安に到着すると受付を進めやすくなります。
雇入れ時健診は「会社への確認」と早めの予約が大切
雇入れ時健康診断の案内を受けたら、まず会社指定の受診先・検査項目・提出期限・費用精算の方法を確認しましょう。自分で医療機関を探す場合は、安さだけで選ばず、法定項目への対応、診断書の発行日、会社指定用紙への記入可否を確かめることが大切です。
提出を急ぐときは、「即日受診」だけでなく「診断書の即日発行」が可能かを確認します。当日は脱ぎ着しやすい服を選び、食事や服薬は予約先の案内に従ってください。早めに準備すれば、入社直前に診断書が間に合わない、必要項目が不足して受け直すといったトラブルを防ぎやすくなります。
- 会社指定の医療機関・用紙・提出期限を確認した
- 法定項目と会社独自の追加項目を確認した
- 費用の支払方法と領収書の宛名を確認した
- 受診日ではなく、診断書の発行日を確認した
- 食事制限、服薬、服装、持ち物を確認した