時間帯 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
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08:30〜12:30 | ◯ | ◯ | — | ◯ | ◯ | ◯ | — |
14:30〜20:00 | ◯ | ◯ | — | ◯ | ◯ | ◯ | — |
◯ 診察 — 休診
※8:30~12:30 14:30~19:30 土曜午後は14:00~18:00 予約制 月~土曜
祝祭日のある週は水曜日診療いたします。
休診日について: 特になし
本日はお忙しいところ、ありがとうございます。お話を伺うのを楽しみに参りました。早速ですが、歯科医を志された経緯など教えて頂けますでしょうか。
私が若いころは、産業的には繊維、造船、自動車が伸びている。そういう時代でした。グローバル化に伴い価値観が多様化し、チャレンジ精神とやる気に満ちていた時代です。そんな時代に、様々な仕事を見聞きする中で、アメリカでは歯科医が、人々の人生において無くてはならない存在であり、尊敬を集めている職業であることを知りました。よし!それなら自分もそんな歯科医になりたいと、その道を志すことにしたのです。40年近く前のことです。
【優しく、細やかな心配りの吉岡先生】
若かりし頃の先生のエネルギー、やる気が伝わってきます。これまでどのような道のりでしたでしょうか。
歯科医になってからは、理想とする形を追い求めてきた30年間でした。アメリカと日本では制度そのものが違うため、いくら素晴らしい技術であっても、そのまま日本に持ってくるだけで、喜んで頂けるわけでもありません。アメリカでは歯科医というのは、それぞれ専門医に分かれています。歯を抜く専門、矯正、インプラント等、もちろん総合医もいるのですが、むしろ少数です。専門的なスペシャリストがその分野での解決をしたところで、次の課題ができたときには紹介しないといけない。アメリカではそれが当たり前に受け入れられていますが、日本の場合、多くの患者さんはそれを望みません。できれば安心できる、同じ先生に診てもらいたいと望んでおられます。そうした期待に応えられるよう、全体を診ることができるように努めてきた30年間ですね。
30年間様々な分野を深められて、全体を診ることができるようになってこられたのですね。恐れ入ります。
若い先生方は、インプラントや審美等いわゆる流行を勉強したがる傾向があります。気持ちは分からなくはありませんが、やはり歯の根の治療、歯周病の治療など基礎となる技術が非常に大切です。口の中の細菌が体中を回って合併症を起こす、時に脳出血を起こすことも起こりえます。地道な部分は患者さんに時に伝わりにくいのですが、いかに根本的な部分を治療できるかはプロとしての姿勢を問われる部分です。
患者さんが気づきにくい点まで、徹底して配慮される、先生のプロ意識が伝わってきます。
患者さんの中には、ご自身の判断で治療を諦めている方もおられます。痛みが無くなると、なんとなくもう治ったと思いこまれるのでしょうね。痛くなると治療に行き、痛みが無くなると行かなくなる。その繰り返しです。毎日お忙しい皆様ですから、歯科医を訪ねるのが難しい状況は理解できるのですが、もう少しじっくり治療をさせて頂いたら、あとは定期的なメンテナンスだけで良いのに勿体ないと感じることがあります。ただ、それは歯科医が、患者さんにしっかりと状態を伝えていない事にも原因があるのであり、責任の一端を感じるところです。
状況を分かっているだけに、先生もジレンマをお感じなのですね。
そうですね。しっかり定期的に診ていく事は本当に大事なことなんですよ。PRESIDENT誌の調査によると、55歳~74歳の男女1,000人にアンケートを取ったところ、健康について後悔していることの第1位は「歯の定期検診を受ければ良かった。」という結果が得られています。私が担当させて頂いた患者さんの中にも、歯の定期健診で、腫瘍が見つかって、大学病院ですぐに手術となった方もおられます。お子さんの中には矯正中に腫瘍が見つかって、手術に至ったケースもあります。お母様も大変喜ばれていましたけどね。それは、しっかり歯科医師と患者さんがコミュニケーションをとれていたからこそのものです。アンケート結果からも、臨床現場の体験からも歯の定期検診が大切であることは、両面から裏付けされていますよね。
※PRESIDENT Online : http://president.jp/articles/-/12332
定期健診が大切と分かるエピソードですね。私も段々心配になってきました。
そうした日常の定期的なケアで、基本的な部分を整えた後に、見た目の部分も大事になってきます。綺麗な歯ということが与える心理的な作用は、非常に大きいのです。女性の方は口元を綺麗に整えることで益々美しくなります!お年寄りにとっては、健康で綺麗な歯は、若さの象徴でもあります。健康な歯を通して、身も心も元気に過ごして頂きたい。そんなお役に立ちたい気持ちで取り組んでいます。
本当に歯は大切だということが伝わってきます。これまでの30年間を表現すると、どのような30年間だったでしょうか。
理解を得られないこともありましたが、理想を追求して、学びに奔走したという一言に尽きます。当初志したように、アメリカの歯科医療の世界は進んでいますから、一年間留学して技術の習得に没頭した時期もあります。その後も、アメリカとヨーロッパを毎年のように行き来しているのですが、海外にはいい技術や、機材が多いのです。もちろん、国内でも素晴らしい治療をされている歯科クリニックを聞けば、見学、意見交換をして参りました。家を空けることも多くて、家族には迷惑もかけたかもしれませんが、支えて、最後は理解をしてくれて、感謝しています。
本当に努力を積み重ねられた30年間なのですね。
ありがとうございます。努力をしてきたつもりではありますが、大切な事は、こちらが学ぶことには限界がないということです。理想の治療を追及する姿勢が最も大切ですよね。ただ、その理想が患者さんに押しつけになってしまっては元も子もありません。患者さんからすると、時間や費用の制約が当然発生します。臨床的意義ある治療の全てが、患者さん一人一人にとって、必ずしも理想とは言えない可能性があります。患者さんそれぞれの状況に合わせて、理解を深め、最善を尽くして、オーダーメイドで治療を提供させて頂くことが何より大切ですね。
先生の思いやり伝わってまいります。技術も素晴らしいですが、受け入れ態勢も素晴らしいですね。
そう言っていただけると嬉しいです。保育士は3名体制で、お母さんが安心して治療に専念できるようにしています。また、バリアフリー化をして、治療室まで車いすで入ってこられるようにしています。実は私も小さいころは歯医者に行くのが怖かったんですよ。今でもそういう方多いですよね?院内の配色も気をつかって、少しでもリラックスして、落ち着いて、癒しの場となるようにできる限りの配慮はさせて頂いています。
【保育士さんが子供の面倒をみてくれるキッズスペース(要予約) お母さんには安心ですね】
様々なところに目が行き届いておられて素晴らしいですね。これからはどういう風にしていかれたいですか。
根本的な部分をしっかりと大切にして、トータルで患者さんをしっかり見ていく。さらに審美的なニーズにも応えられる。基本的なことに聞こえるかもしれませんが、何より大切なことです。そして、若手の育成を大切にしていきたいですね。私もずっと現場に立てるわけではありません。社会にお役に立てる若者を育てたいですね。歯のトラブルを解決することで、豊かな人生を送れるようお手伝いしたいんです。言葉でいうのは簡単ですが、研鑽を重ねて、最善を尽くすこの繰り返しですね。
編集者から一言 -
静かで穏やかな語り口の中に、ほとばしる情熱。好奇心が強く、一度気になると、とことん突き詰めていく、先生のこだわりが終始伝わってくるインタビューでした。実は、私の妻、子どもも吉岡歯科クリニックで、治療をお世話になりました。子どもに至っては、全く泣かずに、どうだったか聞いても「怖い」という印象は皆無の様子。歯医者さんが怖い時代が終わったんだと実感した瞬間です。怖くてそのままにしてしまっている、そのお口、一度気軽にご相談に行かれてはいかがでしょうか。