有住内科クリニック

地域に根ざしたクリニックを

２０１１年１０月、祖父の代から北島に根ざした診療所を引継ぎ、『有住内科クリニック』として再出発された有住俊広院長にお話を伺いました。

－－生まれ育った北島に戻ってこられたということですが、どのような思いで臨まれてますか？

はい、このクリニックから北にかけては高齢化が進んでいますが、それにくらべてこの地域は内科が少ないのです。診てもらうにもひと苦労となってしまいますから、できるだけこの地域で力になりたいと思っています。

－－どのようなクリニックにしていきたいとお考えですか？

３つのことを柱として考えています。まずかかりつけ医として、いつでも困ったときには気軽に来ていただける場所でありたいと思います。よろず相談所みたいな感覚ですね。

それから専門である呼吸器ですね。徳島県は呼吸器の専門医が少ないので、呼吸器疾患の診療に役立てればなと思います。

そして在宅・訪問診療ですね。最期は自宅で過ごしたい方、入院はせずにできるだけ自宅で過ごしたい方のお役に立てればと思います。

－－先生は呼吸器内科が専門なのですね。

はい。自分の症状が喘息かどうかわからない、咳が長く続くけれど原因がよく分からないという方はまずは気軽に来てほしいですね。

－－在宅診療のニーズは高いのでしょうか。

そうですね。訪問診療を希望される患者さんからの問い合わせが増えてきています。

ただ、まだまだ在宅診療が進んでいる地域ではないんですね。そのため遠方の地域から往診専門の先生に来てもらうことも多かったようです。ですが、高齢の方が増えてきていますので、この地域でできることは私どもでやって、地域の方に不便な思いのないようにしていきたいですね。

基本的にはお昼休みの13:00～14:00と15:00～16:00、木曜日の14:00～17:00を訪問診療の時間としています。

北島町を中心に、車で１５分くらいの地域を目安としていますが、ご相談いただければと思います。

－－先生はこちらに戻られる前に、東日本大震災直後の気仙沼市の病院に医療ボランティアとして従事されたということですが。

はい。一時常勤医がいなくなり、派遣医師はいるものの、地域の方からは不安だ、という声を何度も聞いてきました。地域から診療所がなくなるんじゃはないかという不安は、とても大きなものだったんだなと思います。こちらで開業する前でしたので、地域の方のためにも頑張らないといけないという思いを新たにしました。

それまで総合病院で急性期医療に携わることが主だっただけに、地域医療についての地域の方の思いを聞けたことは大きな財産となっています。

－－なるほど。先生の思い描かれる医師像とはどのようなものでしょうか？

よく言われることですが、患者さんの声をよく聴くということでしょうか。本当に訴えたいことを汲み上げてあげられる医者になりたいですね。

－－ありがとうございました。