時間帯 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
09:00〜12:00 | ◯ | ◯ | ◯ | — | ◯ | ◯ | ◯ |
14:30〜19:30 | ◯ | ◯ | ◯ | — | ◯ | ◯ | — |
◯ 診察 — 休診
※土曜日の午後診は14:30~17:30となります。
休診日について: 特になし
今日はお忙しいところ、ありがとうございます。早速ですが、開業の経緯を少し教えて頂けますでしょうか?
兵庫医大に28年間勤めて参りました。全診療科目に対応する兵庫医大の方針に深く共感し、歯科部門を担う自負もあったのですが、一方で、自分が本当に好きで、患者さんのためにもなると確信をもった歯内療法を、広く一般にも提供したいとも強く思っていました。私は今年で60歳になりますが、歯科医人生最後のチャレンジと思い、思い切って開業をすることにしました。当院は以前は橋本歯科医院として開業されていたのですが、前院長の橋本先生は既に閉院をされていました。橋本先生とは、私の恩師の先生からのご縁があったこともあり、歯科医院としての設備を私のほうで使わせて頂けないか、思い切って思いを伝えたところ、承継者として認めて頂くことができました。基盤を引継ぐにあたり、身の引き締まる思いがしています。
【橋本先生から長谷川先生へバトンタッチ】
橋本先生が長谷川先生を認められたのですね。どの辺がポイントだったと思われますか?
年甲斐にないのかもしれませんが、私には歯内療法にかける目標や夢があります。それは時として、実務面では難しいことがあるのですが、歯科医としての目標や夢を語ることが、橋本先生の胸にどこか響いたのかもしれません。
歯内療法とはどういうものなのでしょうか?
歯科の治療分野というものは、歯科技工士さんの仕事に代表されるように、どこか物作りの印象が強いかと思います。歯内療法はそれとは少し異なります。絶対的なゴールは、「疾患の治癒」です。診断をまず正確にしたうえで、治療計画を立てるのですが、必ずしも「完璧な治療計画・実行」=「治療の成功」というわけではありません。自分の考えや経験のすべてを動員することで、治癒に導けるかが問われるわけです。歯内療法における治癒は、建物でいうと基礎工事の完成部分にあたり、歯の土台作りとして欠かせないものです。例えば、神経へのアプローチでも、取り除くのではなく、健全な組織をいかに活かすかが問われます。感染源は突き止めて、完全に除去をします。典型的な治療の完成体は、治癒以外にありません。分かりづらいかもしれませんが、そういうことです。
プロセスではなくゴールにコミットされる強い意志がおありなのですね。
そうなんですよ。私は歯内療法のために生まれてきたようなものだと思っています。これは、理想の恩師に出会えたのが大きく影響しています。その人になりたいという気持ちでずっと学んできました。その先生は私に「世の中に天才と言われる人はいるのだ」と思わせる方でした。人間的にも大変素晴らしい先生です。実はその恩師の先生は既に亡くなっています。それ以来私の歯科医としての完成体が無くなったような気持で、寂しくもありますが、ただひたすらに先生を目指すしていくしかない。どこまで頑張ってもその先生の入り口にも立てない。そう覚悟することで、日々の研鑽ができます。亡くなっても尚、先生が応援してくれているのかもしれません。
謙虚な言い方ですね。先生の素晴らしさ、先生の努力のほどが伝わってきます。どのような恩師の先生だったかもう少し教えて頂けますか?
天才的な診断能力を持っている方で、自分のことを常に完成していないと考えている方でした。患者さんの診療ノートを一生涯つけて、それを常に見直されていました。後輩にも怒るのではなく、「一緒に勉強しよう。考えよう。」と大変謙虚な姿勢で、常にディスカッションして学んでいく姿勢の方でした。
【ダンディで丁寧で謙虚な長谷川先生】
素晴らしい先生ですね。
治療には「いい」「悪い」以前に、失敗をしてはいけないという大前提があります。特に歯内療法は、歯の根幹にかかわる大切な基礎工事の部分であり、一生に一度しかできないようなことでもあります。それだけに命懸けで取り組まなければいけません。失敗は許されないわけです。そういう姿勢をその先生から教えて頂きました。
先生の本気さが伝わってまいります。これからどうしていかれたいですか?
深く学んできた、歯内療法の提供に踏み込んでいきたいと思っています。そのためにどういう体制を築いていくかは、課題がありますし、ジレンマも正直感じています。ただ、開業した理由は歯内療法の提供ですから、将来に向けて残された時間をしっかり自覚して、丁寧に取り組んでまいります。最終的に選ばれるのは患者さん自身になりますが、私にできる治療を誠心誠意尽くす。そこに集中してまいりたいと思います。どうぞお気軽にお悩みを聞かせて下さればと思います。
編集者から一言~
丁寧に、丁寧に、そして丁寧に、お答えくださる姿が印象的でした。歯内療法への気持ちと責任感が言葉の端々に出ておられて、素晴らしい先生というのはどこまでも謙虚なのだなと感じ入りました。歯の治療の世界に限った事ではないのでしょうが、価値あるものというものは、決して目立つ場所にではなく、「あー、こんなところにあったんだ!」という場所にあるものかもしれません。そんなことを、長谷川先生との出会いを通して、強く思いました。そんな長谷川先生がいらっしゃる上新庄周辺の皆様は幸せですね。