時間帯 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
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09:00〜12:30 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | — |
17:00〜19:30 | ◯ | ◯ | — | ◯ | ◯ | — | — |
◯ 診察 — 休診
※火曜日の午前の診察は、副院長種田直史が担当します。
休診日について: 日曜/祝日 水/土曜日午後
早速ですが、先生のご経歴を教えて頂けますでしょうか。
私は、岐阜県の出身でして、岐阜大学の医学部を40年ほど前に卒業しました。30年ほど前に京都に来て、第一日赤病院、バプテスト病院での勤務を経て、20年前に父が経営していた産婦人科を引き継ぎ、現在に至っています。産婦人科一筋で約40年の年月が流れていることになりますね。
お産にあたって、特にお母さんには、不安があると思いますが、どういう点に気をつけておられますか。
お母さんが、納得できる、悔いの残らない、後悔しない、お産を通してポジティブな気持ちになれる、そんなお産をすることがいいお産であると考えています。そういうお産であることによって、生まれてくる命がより光り輝くのではないでしょうか。そのためには、主体性のある、自ら選択をするお産である事が大切です。当院では、そういう環境を提供することを心がけています。
悔いのない出産をするためには、例えばどういう環境を整える必要があるでしょうか。
ネガティブな言葉を使わないようにしています。出産にリスクはつきものですが、何々をしてはいけない、こういうことはリスクがあるから駄目だと杓子定規な管理を妊婦さんが強いられると、どうしてもネガティブな影響が出てきます。妊娠・出産の捉え方もそうですし、強いては親子関係、夫婦関係にも影響を及ぼしかねません。もちろん、例えば体重管理はとても大切なことです。妊娠性高血圧症、糖尿病、心臓病など、一般にいう生活習慣病は体重とも関連がありますから。ただ、単に「体重を増やしなさんな」では、妊婦さんにとって重荷になりかねません。悪気のない言葉であっても、妊婦さんは敏感になっていますから、傷つくこともあります。伝え方や言葉は選びますし、妊婦さんが自ら選択して、体重管理を前向きなものとして捉えられることが何より大切です。難しいのですが、理解してもらいながら、やってもらうことが大切ですね。
妊婦さんの気持ちや、捉え方をとても大切にされているのですね。
そうですね。妊婦さんの、お人柄や想い、プライバシーをしっかり尊重して、赤ちゃんとべったりできる時間を、確保してあげる環境づくりが大切と考えています。出産後の一週間入院というのは、母体を休めるという意味もありますが、赤ちゃんとべったりして、動物的な親としての本能を目覚めさせるという意味もあります。添い寝は否定的な時代もありましたが、今はむしろ肯定的です。もちろん気をつけなければいけない点もありますが、そういうことを通して、動物的な親子関係が育まれていくのではないでしょうか。入院中の食事についても、お金をかけて、豪華な食事を提供してリラックスを促すという考えもあるのかもしれませんが、当院では家庭的でできるだけアットホームな環境の中で、産後の一週間を過ごすことが大事ではないかと考えています。普段の生活に近いリラックスした感覚が大切ですね。
自然なスタイルを大事にされているようにも感じますがいかがでしょうか。
無理を強いることにこそリスクがありますからね。例えば、出産を早めさせようとすると、必ずしっぺ返しがあります。できる限りお産の自然な摂理を信じて、多少予定日が過ぎても、陣痛を「待つ」という姿勢は必要でしょうね。もちろん、赤ちゃんが大きくなりすぎている、胎盤の機能が落ちているなどの場合は、また考える必要があります。予定日を過ぎても一週間は、基本「待つ」です。ただ、ご家族の方も心配されますからね。相談、コミュニケーションはとても大切です。そうして、待ってくれた結果、ちゃーんと赤ちゃんが生まれてくると、本当に嬉しいものです。よくぞ待ってくれた!とお母さんやご家族を称える思いです。
嬉しいですね。お母さん、赤ちゃんを思いやる先生の気持ちが伝わってきます。お父さんに対してはいかがでしょうか。
生まれてくる命の半分はお父さんからのものです。その事ははっきりと言葉でお父さんに伝えるようにしています。また、最近始めた取り組みとして、お父さんによるカンガルーケアを取り入れています。お父さんに出産に立ち会ってもらう事はずいぶん前からやっていますが、立ち会われた後、生まれたての赤ちゃんをお父さんに胸の上でしばらく抱っこして頂いています。言葉と肌のぬくもりを通して、お父さんの心に、より親としてのスイッチが入るのではないか、心に響くのではないかと考えています。
これまでに嬉しかったことはどのような事がありますか。
新しい命の一つ一つが喜びですので、難しいのですが、こんなことがありました。当院では、新しい命が生まれてくることが本当に素晴らしく、楽しく、感動するということを感じてもらいたい、そのための環境を整えるというのがコンセプトなのですが、数年前そのコンセプトを患者さんたちが認めてくれて、オリコンメディカル近畿版で総合2位、産婦人科で1位に選ばれたことがありました。全く考えもしなかったことで、大変嬉しく思いましたね。
患者さんが自発的に認めるクリニック、素晴らしいですね。最後に、妊婦さんに向けてメッセージをお願いします。
妊娠中は、自分が楽しくてしかたない、前向きな気持ちで過ごすことが大切ですよ、ということをお伝えしたいですね。そうすることが、いい出産につながり、いい親子関係、夫婦関係につながっていきます。そんな健やかで、楽しい日々を送って頂くための環境づくりに、当院では努めています。どうぞお気軽にご相談ください。
編集者から一言-
大らかで包容力のある種田先生、実は私の子どもも、二人とも種田先生に取り上げて頂きました。妊娠中に厳密な管理を求められることもなく、妻も穏やかに安心して出産を迎えることができました。妊娠~出産までは、かけがえのない一瞬一瞬の積み重ね、父として夫として、どういう自分でいられるかは、反省点もたくさんありますが、種田先生から頂くメッセージとともに、少しずつ深まっていったように思います。言葉だけではなく、体全体に入ってくるメッセージのある、家族みんなで成長できるそんな産婦人科医院だと思います。 森拓哉